夜叉神峠(4)

みのりと夫婦の誓いを交わし、夜叉神峠から幻妻行に一歩を踏み出した一八。
将軍をたらしこめるような天下一の女を探し、江戸を目指す。
道中、鰍沢の女船頭・漕や女大商人の雨売り甘様、海賊の女頭領・呱女女に運命的な出会いを感じるも、幻妻光ではなかった。
いったい、一八が求める女は何処にいるのか!?ついに江戸の土を踏んだ一八は針妙女のおひさと出会う。
針妙とは表向きで、じつは伊賀女だけの忍び集団であり、その領袖であるおひさに認めらた一八は伊賀屋敷にて大浄助こと服部半蔵へのお目通しを許される。
一八を武田の人間と疑う半蔵は、「糞底」と呼ばれる地下牢に閉じ込めその正体を探ろうとするる。
伊賀屋敷での「糞底」に耐え、信頼を得た一八は半蔵から針妙の領袖となることを認められる。
だが、その直後、針妙の袖を免じられ直参として召抱えられることになり、江戸城大奥の御鈴口御番を命じられる。
甲賀の動きを探る大役を命じられた一八だが、大奥を巻き込む大博打を打ち、伊賀そして甲賀を混乱に陥れる。
天下奪りの野望のため、伊賀のみならず甲賀をも手中入れた一八。
だが、現在の実体は徳川であり武田なぞは虚の幻に過ぎないことをはっきりと思い知る。
虚は虚であって、それが実に転ずることは百年の歳月を費やしても叶わぬと…。
野望を捨てた一八は、愛する髪餅をひろうため故郷の夜叉神峠へと戻るのだが…。
真琴の兄佑二と婚約者和臣が冬山で遭難。
そして兄の佑二だけが還らぬ人となった…。
それ以来和臣は自分の判断ミスを責め続け、真琴に対しても心を固く閉ざしてしまう。
そんな和臣に対し真琴は必死で手を差し伸べようとするのだが、和臣はそんな優しい真琴の手を払い、独り孤独を深めていく…。
表題作をはじめとする愛の賛歌全3編を収録。
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